続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
奈津美は小さくため息をついた。
それでも、いつまでこのままなのだろう。
旬とは、このままで付き合う方がいい形なのかもしれない。でも、このままでいられるわけではない。
何度も何度も、同じことを考えていて、埒があかない。
でも、答えを出さないと不安になってしまう。見えない先を見ることができないと、安心できない。
どうしたらいいの……? ねぇ、旬……
その時、フッと視界が暗くなって、何も見えなくなった。
「え!?」
突然のことに、奈津美はパニックになる。
ちょっと……将来だけでなく一歩先も見えなくなってる!?
「だーれだ!」
後ろからそんな声が聞こえる。
奈津美は一瞬で冷静になった。そうすると、目を生温かいもので覆われていることが分かった。
「……何やってんの、旬」
「当たりー!」
その声と共に視界が明るくなり、予想通りの姿が奈津美の目の前に現れた。
「流石ナツ! 声だけで分かるんだな!」
満面の笑みで、突然現れた旬が言った。
「声でっていうか……あたしが知ってる限りでいきなりこんなことするのは旬ぐらいしかいないの」
奈津美は呆れながら旬に言い返す。
「それってナツが俺のことよく分かってるってことじゃーん」
旬は嬉しそうに笑っている。
それを見て、奈津美はさらに呆れながらため息をついた。