続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
彼氏と友達
「奈津美、今日は急がなくてもいいの?」
金曜日の仕事終わり。更衣室で着替える奈津美に、同じく着替えるカオルに言われた。
「え? 何で?」
「だっていつもいそいそと着替えて出てくじゃない。彼氏君のために」
「な……別にそんなことないから!」
奈津美は顔を赤くして言い返した。
「そーお?」
カオルはニッと笑っている。
「そうよ! 大体、カオルだっていっつも急いでるでしょ! 今日は急がなくてもいいの?」
「今日は急に無理になったのよねー。彼、仕事入ったからって」
「そうなの?」
「うん。で? 奈津美の方は?」
「……今日はバイトが入ってるから」
「なんだ。あたし達ってば、週末に寂しい女同士?」
そう言ってカオルは笑った。
「別にあたしは寂しくないもん!」
ムキになって奈津美は言い返す。
「まあ、そういうことにしてもいいけど? ……じゃあ、今日は久々にご飯食べて飲みに行く?」
「あ、いいね。何食べに行く?」
カオルの提案には奈津美も賛成だった。
「久々に焼肉とかよくない?」
「うん! じゃあそうしよ!」
そうして、二人は着替えを終えると、一緒に更衣室を出た。