続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「いらっしゃいませー……て、あれ、沖田君。今日はシフト変わって休みじゃなかったっけ」
店に入ってすぐに、女性店員にそう声をかけられた。
「今日は客として来たんです」
旬は笑顔で答える。
「そうなの? 珍しいね」
「亜紀。これ、一番と五番」
カウンターの内側から、中年男性が女性に声をかける。
「あ、はーい」
彼女はカウンターの中に入っていき、言われた器を持って客席へ行く。
「店長。どうもです」
旬がカウンターの中の男性に声をかける。
「沖田? 今日は来ないんじゃなかったのか? それともボランティアできたのか?」
「違いますよー。今日は客です。彼女と来たんですよ」
旬が笑顔で言う。
「……お前、いつの間に彼女変えたんだよ。一年ちょっと前に来てた子と違うじゃねえか」
店長は旬の隣に視線を向けると、訝しげな視線を旬に戻す。
「え?」
旬は自分の隣に視線を向けた。そこには、カオルの姿しかない。
「あれ? ナツは? さっきまでいたはずなのに」
旬はきょろきょろと奈津美を探す。
「あのコったらまだ店の前でごねてるみたいよ」
カオルは店の引き戸を指差す。
「えー?」