続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「おまちどうさーん」
十分ほどで、注文したものがテーブルに運ばれてきた。亜紀ではなく、また違う男性店員だった。
「わっ! 美味しそう!」
テーブルの上に置かれた三つの皿の上のお好み焼きを見て、カオルが声をあげる。
「うん。いい匂いー」
食欲をそそるソースの香りに奈津美も笑顔になっていた。
「嬉しいなぁ。そないに喜んでもらえると」
関西の訛りがある口調で男性店員が言った。
「コウさん。いいんですか? わざわざ出てきて」
旬が慣れ親しんだ様子で男性店員に話しかける。
「今日はお前の彼女が来てるっていうからわざわざ出てきたんやないか。……で、別嬪さんが二人もおるけど、どっちが沖田の彼女なん?」
ビールとウーロン茶をそれぞれ置きながら男性店員は奈津美とカオルを交互に見る。
「こっちでーす」
旬は奈津美の腰に手を回して抱き寄せた。
「ちょっと、旬!」
奈津美はすかさず旬の手の甲をつねった。
「いててっ」
旬はぱっと手を離す。
「そんならこちらのお客さんは?」
男性店員はカオルの方を見る。
「彼女の友達です。今日は成り行きで一緒に来たんです」
カオルが笑顔で答える。
「そうですか。俺はここの婿養子で主にお好み担当の浩平っていいます」
笑顔で男性店員、浩平か自己紹介をする。
関西弁を聞いて何となく予想はできていたが、亜紀と結婚したというのが彼のことらしい。