続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「旬君てさ、いつぐらいに奈津美と結婚したいと思ってる?」
「今すぐにでもです」
はっきりとすぐに返事は返ってきた。
やっぱり、奈津美が不安がる通りに、旬はあまり本気で考えてないのかもしれない。
そう思うカオルを余所に、旬の言葉は続いていた。
「でも……出来るなら今すぐにしたいですけど……でも、無理なんですよね。俺、ちゃんと仕事してるわけじゃないし」
旬は、今までのあっけらかんとした様子でなく、少し落ち込んだ声になっていた。
「これでも仕事探してるんですけど、あんまりいい仕事ないし……俺に向かないようなのだったり、給料がかなり安かったり。親には何でもいいからちゃんとした仕事しろって言われるんですけど、妥協はしたくないし」
「そうなの? 何で?」
「だって……俺、男だし、ただでさえナツより年下なのに、ショボイ仕事とか給料じゃ嫌なんです。せめてナツを食わせていけるぐらいの……甲斐性っていうんですか? そういうのがほしいんです。……ただの意地だってことは分かってるんですけど……」
カオルは少し驚いた。
奈津美から聞いていた旬の人間性でも、カオルが今日始めて会った時の印象でも、旬は楽天的というか、物事をそんなに深く考えてなさそうなのに、そうじゃなかった。
旬は思った以上にちゃんと奈津美との未来を考えている。
何だ。大丈夫じゃない。