続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
Episode 4
甘い事件
「そうだ、ナツ。聞いて聞いてー」
夜に、旬と電話をしていたら、何気ない会話から、突然何かを思い出したように旬が言い出した。
「俺がバイトしてるカフェあんじゃん。そこ、今度雑誌に載るんだって」
「へぇ……すごいね。……あれ? でも前も何回か載ってたことなかったっけ?」
「うん。でも前に載ったことあんのは全部ローカル誌だったけど、今度は全国版の雑誌なんだって」
「あ、そうなんだ。じゃあ、本当にすごいね。あのカフェ、すごく人気上がってるんだ」
旬がバイトしているカフェは、地元ではかなりの人気店だが、全国誌に載るほどにまでになったとは驚きだった。
そして、そうなることで、更に人気は高くなっていくのだろう。
「みたいだなー。俺、あんまりそんな感じしてなかったけど。忙しいっちゃあ忙しいし」
「旬。一応自分がバイトしてるところなんだから、それぐらい把握しておきなさいよ」
「ハハッ。そうだなー」
旬は能天気に笑い飛ばしていた。