続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「まさか写真まで載ってるとは思わなかったし。記念に一枚撮りますって言われて撮ったやつだったし」
「へぇー。でも、旬君って写真写りいいわよね」
「そうですか? 多分プロが撮ったからだと思いますけど」
「それでもよかったわよぉ? 奈津美なんかあたしが持ってた雑誌の旬君の写真に見入っちゃうし、さっきここ来る前にわざわざ自分で買ってたのよ」
カオルが笑いながら言った。
「ちょ……カオル! 何言って……」
奈津美は顔を赤くしてカオルを見た。
何を勝手に言い出すのか……確かに事実ではあるが……
「ナツ。マジで?」
旬は目を丸くして奈津美の方を見た。
「べ……別に……その……」
奈津美はどもりながら手に持っていた本屋の袋を後ろに隠した。
そんな動きをしたら却って目立ってしまい、旬にカオルが言ったことが本当だという確信を与えてしまった。
ぱあっと旬の表情が輝く。その後の行動が奈津美には手に取るように分かってしまった。
「ナツ……!」
旬は腕を広げて奈津美を抱き締めようとする。
それを予期していた奈津美は旬の腕を掴んでそれを阻む。
「仕事中でしょ! ちゃんと仕事して!」
奈津美は強く言い放った。
「ちぇー……」
旬は口を尖らせて腕の力を緩めた。
それと同時に奈津美の手の力も弱まった。
「すきあり!」
旬は奈津美が油断したのを見逃さずに、今度はしっかりと奈津美に抱きついた。
「きゃあ!」
奈津美は不意打ちに思わず叫んだ。
「へへへー。ナツ可愛いー」
旬は満足そうに笑う。