続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「やっぱり沖田さんじゃない?」
隣の客席からそんな声がして、奈津美は思わず反応した。
通路を挟んだ隣の席には、四人の制服姿の女子高生がいた。
「あー。確かに優しそうだよねぇ。でも、あたしは大川さんが一番かっこいいと思う! すごい頼れそうだしー」
「分かる分かる」
「島崎さんもいいよね。可愛い顔してない?」
彼女達は、店の中の店員を見て、そんな感じの会話を繰り広げている。
「あれは店員目当てで来てるわね」
カオルが冷静に分析するように言った。
「え? 何それ……」
奈津美は首を傾げる。
「あの雑誌に載ってた店員の写真、男の店員のレベル結構高かったじゃない」
「そうだった?」
カオルに言われても、奈津美には何の印象もなかった。
「……そうだった? って……ああ、奈津美は旬君しか見てないからね。見てたにしても旬君以外は皆同じだもんね」
「べ……別にそんなこと……!」
奈津美は赤面して否定する。
確かに、あの雑誌では旬の方にばかり気に取られていたけれど……
「まあ、とにかく……それで店員に釣られて客も増えてるんじゃない?」
そう言われて店内を見て見ると、女性客、それも女子高生や大学生ぐらいの年齢の客が多い。
元々ケーキを売りにしているカフェだから女性客は多いものだと思って気にしてなかったが、確かに男性店員をちらちら見ている客も多くて、それ目当てのような気もする。