続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「でも、やっぱあたしは沖田さん! めちゃくちゃ好みだし」
隣の女子高生達の声が聞こえる。
「彼女いるのかなー」
「ここにいまーす」
女子高生の声に対して、カオルがボソリと答える。
「ちょっと……カオル!」
「どうせ聞こえないでしょ」
焦る奈津美にカオルはあっさりと言う。
「彼女いないんだったら本気で頑張ろっかなー」
「ホントにー?」
隣がきゃっきゃと盛り上がる。
「可愛そうに。旬君にはもう奈津美がいるから頑張られないわねぇ」
そう言ってカオルはクスクスと笑っている。
「……カオル。何でカオルがそんな反応するの?」
「嫌いだから」
奈津美の問いにカオルはすぐに返してくる。
「ああいう、若いことを武器にしてちょっと騒がしいくらいが明るくて可愛く見えるって計算してる小娘。あたし、大っ嫌いなの」
カオルはにっこりと微笑んだ。しかし、目は笑っていない。
「しかも男はそういうのにコロッと騙されちゃうから質悪いわよね」
カオルは過去にそういうタイプの女と男関係で何かあったのだろうか。
気になったけれど、奈津美には怖くて聞けなかった。
「お待たせしましたー」
旬が丸いトレイを持って奈津美達のテーブルにやって来た。
あ、沖田さん。という、隣の女子高生の黄色い小声が聞こえた。