続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「えっと……すみません。そういうことには答えられないことになってますので」
旬は何とか笑顔で返す。
「えー」
女子高生達の不服そうな声が聞こえる。
「なんだ。そういうもんなのね」
カオルも女子高生とは違う意味で不服そうだ。
「さっさと奈津美が彼女だって言っちゃえば黙るのに」
「……カオル。女子高生が気に入らないだけなの? それとも人のことで楽しんでるの?」
先ほどから奈津美よりも過剰反応しすぎなカオルに対して、奈津美は聞いた。
「両方」
カオルは即答ではっきりと答えた。
「あっそう……」
奈津美はがくりと肩を落とした。
「教えてくれないんですかぁ?」
女子高生の可愛く見せようとしている典型の喋り方が耳についた。
「はい。ちょっと……」
旬の方も苦笑いだ。
「じゃ、アド交換してくれません?」
女子高生は笑顔でジャラジャラとストラップのついていてデコレーションされた携帯を取り出す。
「いやー……それはちょっと……無理です」
旬はやんわりと断ったつもりだった。
「えー。ダメですかぁ?」
女子高生の方は、簡単には引こうとしない。
「何でダメなんですかぁ?」
「あ、バイト中だからだとか?」
「それなら待ちます! 沖田さん、何時に上がりですか?」
旬は何も言ってないのに、女子高生達で勝手に話を進めている。
「いや、そういうんじゃなくて……」
旬はたじろぎながらちらりと奈津美の方を振り返った。
一瞬だけ、旬の方を見ていた奈津美と目が合い、奈津美の体は思わず固まった。