続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「そろそろ出る?」

 カオルが店の時計を見て言った。


「あ、うん」

 奈津美も時間を見て頷いた。


 いつの間にか、もう六時を五分ほど過ぎていた。

 店内を見てみると旬の姿も見当たらない。

 もう上がったようだ。


 奈津美とカオルも伝票を持ち、会計に向かった。



「ごめん、カオル。結局つき合わせたみたいになって……」

 店を出る時に奈津美はカオルに謝った。


「いいわよ、そんなの。もともとあたしが誘ったんだし、別に今日は予定ないし。それに、面白いものも見せてもらったしね」

 そういってカオルはにんまりと笑った。


「だからカオル……人で勝手に楽しまないでよ」


「奈津美も旬君にいい思いさせてもらったんだからいいじゃない」


「いい思いって……全然そんなのしてないわよ。むしろ嫌な方が多いし」

 奈津美は女子高生達のことを思い出して言う。


「別にもう過ぎたことでしょ。二度と会うことはないんだろうし」


 女子高生達は、奈津美達が店を出ようとするよりも大分前に店を出て行った。

 それまでにやたらと視線を送られ、奈津美のことを何か言ってる風だったので、その瞬間に奈津美はほっと胸を撫で下ろしたのだ。


「そうだけど……」

 だからといって、嫌な気分が晴れるわけでもなかった。


 早く旬の顔見たいな……


 旬の顔を見たら、嫌な気分もなくなると思う。

 だから、奈津美はそう思った。


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