続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「あたしなら沖田さんのこと、ちゃんと好きでいられるし! ねぇ、沖田さん。あたしの方がいいですよ? 年上より年下の方が絶対上手くいきますから」
女子高生は一方的に言い、旬の腕に絡みついた。
「え……ちょっと」
旬は慌ててそれを解こうとする。
「困りますって、こういうの……」
「いいじゃないですかぁ」
「ダメ!」
予想もしないところから声がした。
旬も、女子高生達も、カオルも目を丸くした。
いきなり口を開いたのは奈津美だった。
「旬はダメなの!」
奈津美はそう言うと、女子高生に掴まれている旬の腕の反対の方の腕を引いて、旬と女子高生を引き離した。
「言っとくけど」
キッと女子高生を見て奈津美は口を開いた。
「あたしは弄ぶためだけなら、絶対に旬と付き合ったりしないから」
きっぱりと奈津美は言い放った。
「ていうか、旬にそんな価値ないし! あたし年下は好みじゃないんだから!」
更に続いた奈津美の言葉に、奈津美以外は目を点にする。
「ナツ……」
旬に至っては、あまりにもはっきりと言われて、泣きそうな表情になっている。
「……それなら何で沖田さんと付き合ってんの?」
「そーよ。意味分かんない」
女子高生は負けじと言い返してくる。
「分からなくても別にいいわよ! でもね、旬はそんな意味分かんないあたしのことが好きだって言ってるの! 旬みたいな物好きは、あたしみたいな意味分かんないのとしか付き合えないの! あなたたちみたいな並大抵な人とは付き合えるわけないでしょ!」
ものすごい勢いでまくし立てた奈津美に、女子高生達は唖然としている。
……て、あたし何言ってんのよ!?
はっと我に返った奈津美は、自分の発言が信じられなかった。
何で女子高生相手にこんなムキになってんのよ!?
しかも、自分は変わり者だって自分で言ったみたいじゃない!
奈津美はあまりの恥ずかしさに下を向いた。