続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
Episode 5
女の悩み
そろそろ夏本番となってくる、六月半ば。
今年の六月は、空梅雨らしく、ほとんど雨が降っていない。
それでも日本の夏は湿度が高く、地球温暖化も原因なのか、天気予報によるともうすでに気温は七月初めぐらいのものらしい。
「おはよ、奈津美」
朝、会社に出勤した奈津美は、更衣室の手前あたりで声をかけられた。
振り向くと、カオルがいた。
「あ、おはよ」
奈津美も挨拶を返す。
「今日も暑いわねー。あたし、今日から夏用の制服持ってきちゃった。今週は頑張ろうかと思ったけど、耐えられないし」
「あたしも。うちの会社、冷房弱いし、昨日までも辛かったしねー」
「ホント。クールビズだって、うちの会社だけしたって大差ないと思わない?」
「確かにねー」
そんな話をしながら、二人は更衣室に入った。
「思うんだけどさぁ、これって、クールビズだとか言いながら、男達が女の肌見たいだけじゃない?」
半袖のブラウスに腕を通しながらカオルが口を開く。
「流石にそれはないでしょ。もしホントにそうだったら問題よ? 第一、別に夏用の制服は強制じゃないんだし」
奈津美はスカートを履き替えながら答える。
「そうだけどさ。それでも課長とか、少しでも冷房の温度下げようとしたら怒るでしょ。昨日とか、何も知らないみちるちゃんがちょっと冷房調節しただけで『そんなに暑いんなら長袖なんが着るな』って。言い換えれば半袖着て来いってことでしょ? セクハラすれすれじゃない」
「ああ、そういえば言ってたわね。でも、課長がそんなこと言うのって今に始まったことじゃないでしょ」
奈津美はスカートのファスナー手をかけ、上げようとする。
しかし久しぶりに履くせいなのか、ファスナーが引っかかっているようにスムーズに動かない。