続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
上がらないスカートのファスナーに、丸くなったという顔……太ったというのには、十分な状態だ。
「でも奈津美、今まで履いてたスカートは別に履けてたんでしょ?」
カオルが確認するように聞いてくる。
「あたし、冬用のスカートはワンサイズ上にしてるから……」
冬は、防寒対策にインナーを着込む奈津美は、そのためにサイズを大きめにしている。夏用はジャストサイズだ。
そういえば、昨日までのように温かくなってきてから冬スカートを履いている時は、冬のようにあまり着込んではいないはずだ。
しかし、ウエストにあまり余裕がなかった気がする。
今までは、履けないほどではなかったので気付いていなかった。
だが、今のこの状態は、気付いていないなんて言ってられない。
去年は普通に履けたスカートが履けなくなってしまうということは、去年よりも太ったということだ。
「別に大丈夫よ、奈津美。全然気にするほどでもないから。ていうか、奈津美って胸のわりには細いんだからもう少し太ったぐらいが丁度いいわよ」
カオルが落ち込む奈津美に対してフォローする。
実際そうなのだ。
奈津美は、去年より太ったとはいえ、目に見えて分かるというほどではないし、世間一般でいったら十分痩せている方なのだ。だから、特に問題にするほどのことはない。
「でも……」
「気にしないの。とりあえず暫くは冬用のスカートで耐えるしかないし。でも別に同じ色なんだし問題ないでしょ」
「……うん」
カオルに言われて、奈津美は頷くしかなかった。