続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
『えー。まだ二十代やと思ってましたー。ていうか、二十代で通用しますでしょ?』
『いえ、そんな、流石に二十代は……』
『そんなことないですてー。でも何か特別なことしてはるんですか? めちゃくちゃスタイルもいいですし』
『特別にってほどのことではないですけど……でも体型とかは気にしてますよ。ストレッチとか体操したり』
『へぇー。やっぱりそういうのしてるんですねー』
『やっぱり年を負う毎に太りやすくなってるんですよ。前にかなり太ったことあって』
『えー。太ったって言うてもそんな変わらないでしょ?』
『ホントに太ってたんですよ。二十四、五ぐらいの時だったんですけど、体重がいきなり五、六キロ増えたんです』
『そんなに!?』
『はい。お腹とかもすっごい出てて、服のサイズが合わなくて衣装さんに怒られたりしたんです』
この話題に奈津美は反応する。
この女優が言っていることが、今の奈津美の状況に似ている。
『私、それまでって特に運動とかしてなくて、若いうちはそれでも太りにくい体質だったんですよ。でも、何か二十代半ばになっていきなり衰えてきたみたいで』
『衰えたって言うても……二十代じゃ全然大丈夫なんじゃないんですか?』
『そんなことないのよ』
他のゲストの女性が口を挟んだ。彼女は個性派の大御所タレントで、人生経験が豊富な年齢だ。
『女ってのはね、二十代前半までが花なの。何もしないで綺麗でいられるのはそれまでなのよ。あとは自分で何とかしないと衰える一方よ』
そう説得力のある口調で言う。
二十代前半まで……
奈津美は、今年で二十四。
それで言うと、もう女としての折り返し地点間際ということだ。