続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~


『えー。まだ二十代やと思ってましたー。ていうか、二十代で通用しますでしょ?』


『いえ、そんな、流石に二十代は……』


『そんなことないですてー。でも何か特別なことしてはるんですか? めちゃくちゃスタイルもいいですし』


『特別にってほどのことではないですけど……でも体型とかは気にしてますよ。ストレッチとか体操したり』


『へぇー。やっぱりそういうのしてるんですねー』


『やっぱり年を負う毎に太りやすくなってるんですよ。前にかなり太ったことあって』


『えー。太ったって言うてもそんな変わらないでしょ?』


『ホントに太ってたんですよ。二十四、五ぐらいの時だったんですけど、体重がいきなり五、六キロ増えたんです』


『そんなに!?』


『はい。お腹とかもすっごい出てて、服のサイズが合わなくて衣装さんに怒られたりしたんです』


 この話題に奈津美は反応する。

 この女優が言っていることが、今の奈津美の状況に似ている。


『私、それまでって特に運動とかしてなくて、若いうちはそれでも太りにくい体質だったんですよ。でも、何か二十代半ばになっていきなり衰えてきたみたいで』


『衰えたって言うても……二十代じゃ全然大丈夫なんじゃないんですか?』


『そんなことないのよ』

 他のゲストの女性が口を挟んだ。彼女は個性派の大御所タレントで、人生経験が豊富な年齢だ。


『女ってのはね、二十代前半までが花なの。何もしないで綺麗でいられるのはそれまでなのよ。あとは自分で何とかしないと衰える一方よ』

 そう説得力のある口調で言う。


 二十代前半まで……


 奈津美は、今年で二十四。

 それで言うと、もう女としての折り返し地点間際ということだ。


< 156 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop