続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~


 奈津美は脱衣場で自分の裸体を見下ろした。

 おもむろに脇腹の肉を掴んでみる。


 ……こんなに掴めたっけ?


 今までもある程度は掴めるほどだったが、現状は、奈津美の中の許容範囲を超えていた。

 奈津美は、更に鏡の前に立ち、横を向いた。


 こんなに出てたっけ?


 いつも意識して見ていないので、今までがどうだったか分からない。

 それでも腹部が、特に下っ腹の方がポッコリと出てしまっている気がする。


 あれ? お尻の方も……


 今度は後ろを向き、首から上を鏡に向けて、後ろ姿を見てみる。


 やだ……たるんでる?


 奈津美は自分で撫でるように触ってみる。


 ここも前はどうだったか分からないが、そんな気がしてならない。


 あ、そうだ。体重……


 奈津美はふと思い出して、最近使っていなかった体重計を引っ張り出し、デジタル式のその電源わ入れ、上に乗った。


 ……二十……三十……

 表示の数字がどんどん上がっていくのを、奈津美はドキドキしながら見つめる。


 確か、前に測ったのは、半年ほど前だった。


 四十一…四十二……四十三……


 ジワジワと数字が増えていき、ピタリと止まった。


 え……?


 表示された数字を見て、奈津美は目を丸くした。


 嘘っ……四キロも太ってる!?


 半年で四キロ。


 増えているのは大体予想出来ていたのだが、実際に数値にしてみると、太ったということがよりリアルになってしまった。


 測るんじゃなかった……


 今更になって奈津美は後悔した。



(自分で何とかしないと衰える一方よ)



 さっきテレビで言っていたことが頭によぎる。


 流石にこれはヤバいわよ、あたし! 本気でなんとかしなきゃ……!



 そうして、奈津美はダイエットを決意した。



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