続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
 一通りのことが終わると、もう四時前になっていた。

 奈津美はベッドの傍らに座り、眠っている旬のことを見た。

 薬が効いているせいなのか、旬は相変わらずよく眠っている。

 頬に触れてみると、まだ少し熱はあるようだが、さっきまでよりは下がっている。顔色も大分いい。


 よかった。これならすぐ体調はよくなるだろう。


 奈津美はほっと息をつくと、旬の頬を撫でた。


 旬はそれにくすぐったそうに寝返りをうって、奈津美の方を向いた。


「ん……ナツ……」

 起きたのかと思ったが、旬は再び寝息をたて始める。寝言だったようだ。


「んー……ナツぅ……」

 旬は眉間に皺を寄せ、唸るように奈津美の名を呼ぶ。


「旬?」

 寝苦しいのかと思い、奈津美は旬の体を撫でる。


 しかし、すぐに旬の眉間の皺はなくなった。そして、また一言。


「ケーキ……」


 奈津美は一瞬キョトンとして、すぐに小さく吹き出してしまった。


 一体、何の夢を見てるのか……

 今日行けなかったケーキバイキングの夢でも見てるのだろうか……


 奈津美はそっと旬の頭を撫でた。


「早く元気になってケーキバイキング行こうね」

 微笑みながら、旬にそう言った。



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