続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「つうか、そんな風に思うんだったら原因はお前にあるんじゃねえのかよ」
「ないですよ、そんな……」
旬の動きがピタリと止まる。
「まさか……」
旬の表情に焦りが出始める。
「何だよ。やっぱりあるんじゃねえか」
「いや、でももしそうならバレたってことだし……」
旬は独り言のようにぶつぶつと呟く。
「バレたって、浮気か?」
「違いますよ! 何で浮気しないといけないんですか!」
「じゃあ何がバレたの?」
美奈子が聞くと、旬は深刻な表情になる。
「……あの……でかいサイズのアイスあるじゃん。これぐらいの大きさの」
そう言って、旬は両手で円を作り、大きさを表す。
旬が言ってるのは、お徳用とか、ファミリーサイズとか、一人用ではない大きさで売られているアイスのことだ。
「それが彼女の家にあって……ていうか、一緒に食べよーって、よく買ってきてくれるんですけど……」
突然、アイスの話をし始める旬を、大川と美奈子は、理解できないような表情で見る。
「俺……それを内緒で食べちゃったんです……」
旬はまるでこの世の終わりのような絶望的な顔でそう続けた。
「……は?」
少し間を置いて、大川は顔をしかめた。
その隣で美奈子もポカンと口を開けていた。
「でも、バレたら嫌だから大した量じゃないけど……それでもやっぱり……」
二人のリアクションは関係なく、旬は不安そうに言う。
「……いや、ないだろ」
呆れきった視線を旬に向けて大川が言った。
「うん……」
流石に美奈子も大川に同意して頷く。
「食べ物の恨みは怖いんですよ!?」
旬は至って真剣に二人に訴える。