続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「……あ」

 旬は再び何かを思い出したかのような表情になる。


「……食べ物絡みじゃないとしたら……」


「何かあんのか?」


「は……いや、でもバレようないし。ていうか、別に大丈夫なことか?」

 頷きかけて旬は首を傾げる。


「何? どんなこと?」


「うん……歯ブラシなんだけどさ……なるちゃんは、彼氏と一緒の歯ブラシ使えるよね?」

 旬は真面目な顔で美奈子に聞き返した。


「えっ……」

 美奈子は突然で固まった。


「なんだそりゃ」

 大川も突然わけが分からず眉間に皺を寄せる。


「俺……俺の家にある彼女の歯ブラシ、使ったことあって……」


「え……」

 大川と美奈子が同時に眉を寄せ、少し引いた目で旬を見る。


「あ、勿論わざとじゃないですよ! 朝寝ぼけてて……それで気付かなくて……」

 二人に対して旬は必死に弁明する。


「いや、気付けよ」


「全然気付かなかったわけじゃないです。歯磨き粉つけて銜えようとした時に気付いて……まあいっかって思って……」

 旬の声が小さくなる。


「思うな……つうか、今更悩むぐらいなら使うなよ」


「俺は別に使おうが使われようが気にならないんですよ。だから別にいっか、って、その時は思って……」


「彼女さんにも因るよね。彼女さんもそういうの気にしない人だったら問題ないだろうけど……」

 美奈子は女側からの意見を述べる。


「ちなみになるちゃんは?」

 旬は参考までに尋ねた。


「えっ……」

 美奈子は顔が引きつった。

 聞く前に、どういう答えか分かった。


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