続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「ん……」
奈津美の眉間に皺が寄る。
あ、やばいかも……
瞬間的に思って旬は手を止めた。
奈津美の目が、うっすらと開いていく。
「しゅ……ん?」
寝起きの声でそう言い、寝起きの目で旬を見上げている。
「何やって……!?」
奈津美は瞬時に何をされているのかに気付いた。慌てて体を起こそうとした。
「ちょっと……! 旬! 何考えてんの!」
「え……ナツがあんまり可愛いから……」
「何言ってんの! 意味分かんないから! ちょっとどいて! 起きらんない!」
旬の体の下で奈津美はバタつく。旬が跨っているせいで思うように動けないのだ。
「ちょっと……旬ー!」
奈津美は旬を押し返そうとするが、旬が少し力を入れると動かない。
旬の方は、先ほどまでと違って、いつものように体に力が入ることに気付いた。
そして、ニヤリと笑う。
「ナーツぅ」
奈津美の上にのしかかり、強く抱き締めた。
「やだ……何してんの!」
奈津美は足をバタバタと動かすが、旬はそれに上手いことに自分の足と絡めて封じる。
「俺、風邪治ったみたいだからぁ……しよ!」
奈津美の顔の真上でにっこりと笑い、旬は言った。
「な……まだ熱下がってないでしょ! 体熱いわよ!」
確かに、旬の体はまだ熱かった。さっきよりは大分下がっているが、微熱ほどはありそうだ。