続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
ギクシャク
結構キツい……
奈津美は体を捻ったポーズをキープしながら思う。
十秒数えて、体を元に戻すと、雑誌の次のページを見る。
次は……下っ腹引き締めストレッチ。
雑誌を見ながら、書いてある手順で、載っている写真通りのポーズをとる。
これは今日から始めた、奈津美の地道なダイエットだ。
夕方、食料品の買い出しに出かけた。
その時、奈津美は、いつも行ってるスーパーの雑誌売り場に並んだ『ダイエット法』という文字につい目が行ってしまった。
これから露出が増える夏本番ということで、そういった特集を組み込んだ雑誌が多いようだ。
奈津美はいくつか立ち読みした後、一番効果がありそうなものを選び、つい買ってしまった。
そして今、実践中なのである。入浴後にやるのが効果的と書かれた、その条件通りにして。
奈津美がストレッチに専念していると、ローテーブルに置いた携帯電話が鳴った。
電話の方の着信音だ。
ストレッチを中断して携帯を見てみると、旬からの着信だ。
もう二十時をとっくに過ぎている。
居酒屋の方のバイトが終わったのだろう。
奈津美はすぐに電話に出た。
「もしもし」
「もしもし、ナツ? 旬だけど」
「うん。バイト終わったの?」
「うん」
「そう。お疲れ様」
そこまで話したら、急に話が途切れた。
いつも色々と喋り出す旬が黙ってしまったからだ。