続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「いらっしゃい」
奈津美は、何もないかのように取り繕い、笑顔で旬を出迎えた。
「ごめんな、急に……」
旬が、申し訳なさそうに言う。
その旬の態度に、奈津美は面食らってしまう。
「何? 珍しいじゃない。旬がそんな風に言うなんて」
思ったことを口にした。
「え……そう?」
「いつもいきなり来るって言うし、何の連絡もなしに来る時だってあるじゃない」
「あ……」
奈津美は何気なく言ったつもりだったのに、旬はものすごく落ち込んだ表情になった。
「そうだよな……ごめんな、いつも勝手で」
かなりしおれた様子だった。
旬は旬で、そういうことも、昨夜の奈津美の行動の一因なのではないかと思ったのだ。
しかし、旬が考えていることなんて知らない奈津美は、旬のその態度に戸惑う。
「べ……別にそういう意味で言ったんじゃないわよ? ただ珍しいってだけ。それよりほら。上がって」
奈津美はフォローをして、旬を部屋の中に促した。
「うん。お邪魔します」
旬は、まだ少し落ち込んだ様子でありながらも、奈津美の部屋に入った。
旬が部屋に入ると、奈津美はドアを閉め、鍵とチェーンをかける。
そして、振り返ると、旬はまだ靴を履いたままそこに立っていて、じっと奈津美の方を見ている。
「何? どうしたの?」
奈津美は首を傾げて尋ねる。
「ん……珍しいって言えばさ、ナツがそんな格好してるのも珍しいなって思って」
旬に言われて、奈津美はハッとする。
今の奈津美は、ピンクのTシャツに、太ももが半分見える丈の黒のショートパンツという格好だ。
しかも、ノーブラで、ぴったりとしたTシャツは、奈津美のボディーラインがはっきりと分かる状態になっている。