続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「て……テレビ見よっか」

 少し大きな声を出して、奈津美は腰を浮かせた。


 テレビでも点いていたら、お腹が鳴る音も目立たないだろうし、間が持つだろうと思ったからだ。


「何かやってないかなー……」

 テレビを点け、リモコンを持ってチャンネルを変える。


 旬は、その姿を見ながら、お好み焼きを口に運ぶ。

 なんだか色んな気持ちで一杯一杯になっていて、味なんて分からなかった。



 テレビの方は、あまり面白そうなものはなかった。

 ニュース番組は、連続殺人事件のことを話していて暗い感じだし、映画はマイナーな内容の洋画で見る気がしないし、サスペンス劇場は、始めから見ていないから話が分からない。

 たまに見ているお笑い番組は、全く知らない芸人がネタをやっていて、ちっとも面白くない。


 やっぱり消そうかと、指を電源ボタンに置いた。



『俺の何が悪いってんだよ!』


 テレビから男の声でそんな言葉が聞こえ、奈津美はボタンに力を入れるのを止めた。



『だから全部よ!』


『全部って俺がお前に何したよ?』


『何もしないのが嫌なのよ! あんたのこと、いっつも全部あたしがやってんのよ!』



 何の番組かと思って見てみると、画面の左下に『恋愛ガチバトル・二年間同棲中のヒモ男と別れたい』という文字が出ていた。


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