続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「ごめん……なんかむせちった」
旬はぎこちなく笑った。
「もう大丈夫?」
奈津美はまだ背中をさすってくれている。
「うん。平気」
そこまでで、何故か会話が途切れる。
「あ。旬、まだお茶飲む?」
奈津美は空になったグラスを見て言った。
「うん……飲む」
「じゃあ、おかわり入れるね」
奈津美はグラスを持って立ち上がった。
「あ……ありがと」
奈津美は旬に僅かな笑みで返し、台所へ行った。
テレビの方は、どのタイミングだったのか、スタジオでタレント達が、今のカップルについて話している。
旬は小さくため息をつく。
さっきのテレビの中の彼女の言葉に、思わず反応し、動揺してむせてしまった。
彼女のものを勝手に使うなんて、旬にも心当たりが有りすぎる。
やっぱり……気にする人はするんだよな……
もし、奈津美も気にするのだったら……
今も口に出さないでいるだけで、心の中は嫌悪感でいっぱいなのではないだろうか……
そして、それが積もりに積もっていったら……
『では、二人はどうなってしまうんでしょうか。続きをどうぞ』
司会者のフリをきっかけに画面が切り替わる。
旬はつい画面に食いついて見ていた。