続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~


「よかった……ナツが俺のこと怒ってたんじゃなくて」


 ベッドの中で、旬が言った。

 今、二人は、生まれたままの姿で、上に夏布団を掛けただけである。


「それに、エッチもできてよかった」

 旬はそう言い、奈津美にいたずらっぽく笑いかけた。


「……ごめんね。あたし、旬にひどいこと言っちゃった……」

 奈津美は、昨日からの言動について、改めて旬に謝った。


 しかし、旬はきょとんとして、すぐには何のことか分からなかったようだ。

 少し間を開けてから、何のことか分かったようで、優しく笑う。


「いいよー? もう理由も分かったことだし。ちゃんと解決して、ナツとエッチもしたことだし」

 旬は、体ごと奈津美の方を向き、奈津美の髪を撫でた。


「な?」

 小さい子供に言う時のように、旬の言い方は優しかった。


 その旬の表情は、本当に言葉の通りのもので、奈津美は安心する。


「……優しいね、旬は」

 奈津美は、旬の胸元に額を寄せた。


「もっと怒っててもいいのに……」


 本当なら、旬はそういう立場なのではないだろうか。


 それなのに、簡単に許して、こんなにも優しくしてくれる。

 それでいいのだろうかと、奈津美は思うのだ。


「怒る? 何で?」

 不思議そうな声で、旬は言った。


 何で、とまで聞かれて、奈津美は言い返そうと旬を見上げた。


 するとそこには、より一層優しく顔を緩めている旬の顔があった。


「怒るわけないじゃん。……ナツは、俺のためにダイエットしようとしてたんだろ? そんな可愛い理由だったら、怒れないよ」

 そう言って、旬は奈津美の額に口づけた。

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