続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
そして、両腕で奈津美の体をしっかりと抱き締めると、ごろりと仰向けになった。奈津美は、旬の上に俯せになった状態だ。
「やだ……重いのに」
奈津美は旬の体から降りようとした。
しかし、旬は奈津美を離さず、更に体が密着するように力を込める。
「ぜーんぜん。軽い軽い。これならナツが上で激しく動いても苦しくないよ。つうか、俺の方も余裕で動けるし。あ、試してみよっか」
旬はにんまりと笑った。
「やだ……何でそっちにもっていくのよ」
奈津美は顔を赤くして、旬の顔の横の枕にうずめた。
耳元で旬が声を出さずに笑ったのが分かった。
「……あ。これ、いいかも」
旬が奈津美の下で体を捩りながら言った。
「何が?」
奈津美は顔を少し旬の方に向けて言った。
すると、旬の耳が奈津美の口元にあって、直接声を入れるようになっていた。
「ん。ナツのおっぱいが俺の上に乗っかるから。いつもと違う感触で気持ちいいの」
旬は、子供のように笑いながらも、僅かに動くことで胸が擦れる感触を楽しんでいる。
奈津美は耳まで真っ赤になった。
「もうっ……旬……」
きゅるる〜……
奈津美が怒りの声を上げると同時に、布団の中から子犬が鳴くような音がした。
「あ……」
奈津美は更に首まで赤くなった。
「……ナツ。お腹鳴った?」
旬が確認するように聞いてくる。
今のは、明らかに旬にも聞こえただろう。
いや、聞こえたというより、俯せと仰向けになって二人の腹が密着しているせいで、旬の腹の辺りに僅かな振動が伝わってしまったに違いない。
「な……鳴ってない」
誤魔化しきれないと分かっていながらも、奈津美は首を横に振った。
すると、旬は口角を上げてニヤリと笑った。