続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「あ、そうだ」

 旬は何かを思い出したかのように言い、寝返りを打って奈津美を隣に寝かせて、自分は体を起こし、ベッドから出た。


「旬……どうしたの?」

 奈津美は半身を起こした。


 すると、隠そうともされない旬の局所が、奈津美の顔の高さにあった。


「やだ、旬。何か着てよ」

 奈津美は目を逸らし、自分はとりあえず、掛け布団の上で裏返しになっていたTシャツを着て、足元で丸まっていたパンツを履いた。


「気にしない、気にしない。俺とナツの仲なんだし」

 旬はそう言い、本当に隠そうとしない。


「あー。流石に冷めたな」

 ローテーブルの上から、置きっぱなしだった食べかけのお好み焼きを取り、旬は言った。


「まあ、いっか。食べれないことはないし」

 旬は、それを持ったまま、ベッドに腰掛けた。


「旬。ベッドで食べないでよ。こぼしたら大変なんだから」

 そう言いながら、とりあえず、ベッドの横に落ちていた旬のTシャツを、旬の下半身にかける。


「俺が食べるんじゃないよ。ほら、ナツ。こっちきて」

 旬は左手に器を持ち、右手で自分の隣をポンポンと叩いた。


「何……」

 奈津美は、旬がどうしたいのか掴みきれず、とりあえず言われた通りに、旬の隣に腰掛けた。


 旬は、器の上で箸を動かし、一口大にお好み焼きを取った。


「はい」

 笑顔でそう言って、旬は奈津美の口元に箸で摘んだお好み焼きを持っていく。


「え……」

 奈津美は目で旬とそのお好み焼きを交互に見た。


「え、じゃなくて。あーんして」

 旬は更に箸を奈津美の口に近付ける。


「い……いいよっ。いらない!」

 奈津美は首を横に振って、旬とは反対に顔を向けた。


 きゅるるるる〜〜……


 タイミングが悪く、奈津美の腹が今までで一番大きな音で空腹を主張した。


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