続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「いや……その……」
涼介の目は泳いでいて、何も言わなくても図星だということが丸分かりだ。
「もうっ! 涼介ぇ!」
「ご……ごめんね、加奈ちゃんっ。あたし、別にそんなつもりじゃなくて……」
涼介に怒る加奈に、奈津美は、フォローに入る。
奈津美が余計なことを言ったばっかりに、二人の仲がまたこじれてしまったら、申し訳がたたない。
「奈津美さん、気にしないで下さいね」
加奈は奈津美の方を向いた。
「あれ、もう二年も前のことですから。あたしには一応涼介がいますし」
「一応ってなんだよ……」
「でも奈津美さん。何でそんなこと聞くんですか?」
涼介が呟くように言うが、加奈はそれに対して何も返さない。
加奈に無視されて、涼介は少し落ち込んだようにいじけていた。
「えっと……今日、偶然会っちゃって」
加奈の隣の涼介を気にしながら、奈津美は言った。
「会ったって、元カノに?」
「うん……ミキって子なんだけど」
「あ、ミキちゃんですか」
知っている風に加奈は言った。
「知ってる?」
「はい。同じ高校ですから。あ、でも、あたしはクラス一緒になったことないから殆ど喋ったことないですけど……涼介の方が知ってるんじゃない?」
加奈は涼介の方に話を振る。
無視されたと思っていた涼介は、一瞬不意を突かれたようだった。
「……え? あ、ああ。知ってるには知ってるけど。……俺もクラス同じになったことはないけど、ミキは部活のマネージャーだったから」
「涼介君て、サッカー部だったの?」
「はい。中学から旬と一緒なんです」
「そうなんだ……でも、旬、高校では幽霊部員だったんでしょ?」
以前に、旬が中学、高校とサッカー部に所属していたというのは聞いたことがある。
しかし、高校では、バイトもしていてあまり部活に出ておらず、殆ど幽霊部員のようだったと、笑いながら言っていたが……