続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「いや、そんなことはないですよ。旬は自分ではそういう風に言ってますけど、試合前とかはちゃんと毎日出てきてたし。そりゃ普段から毎日出てる奴と比べたら不真面目かもしれませんけど」


「そうなの?」

 涼介の言葉に、奈津美は少し驚く。


「そりゃそうですよ。別に部活は強制じゃなかったし、旬だってサッカーしたくて入ってたんですよ」

 涼介が笑いながら言った。


 奈津美は更に意外に思う。


 旬が、高校時代の部活は特に真面目にしていなかったという風に言ったから、奈津美は本当にそうだったと思っていた。

 今の旬のいい加減な性格を考えると、それはそれで納得できたのだ。


 高校時代の旬は、今とはまた違うのだろうか。


 またしても、奈津美は旬のことを何も知らないのだと思い知らされる。


「ねえ、話ズレてない? ミキちゃんのことでしょ?」

 加奈が涼介に言う。


 そういえばそうだった。


 しかし、もう聞きたくないような気もしてきた。


「あ、そうか。……そういえば、ミキって、初めは別に旬のこと好きではなかったと思うけど。見る限りでは部員として仲良かったみたいだし……付き合うきっかけって言ったらあれだな。俺らの最後の試合かな」


「あー。あれは凄かったね」

 加奈には涼介が言っていることが分かるらしく、頷いている。


「何? 何が凄かったの?」

 一人置いてきぼり状態になって、奈津美は二人に説明を求める。


「高三の時の、俺らの最後の試合です」


「あたしも応援に行ったんですけど、旬、凄かったですよ」


「旬が?」

 奈津美には意外に思えて、思わず目を丸くした。

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