続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「おう。旬」
「旬ー。久しぶりー」
こっちに向かって、男女が歩いてくる。
「おー。加奈。ホント久しぶりだな。涼介はこないだ会ったばっかだけど、加奈は全然会うことなかったもんなー」
「ねー。高校卒業してからだから、一年ちょっとぶりだもんね」
「つうか悪い。遅くなって。駅で帰りの切符買うのが混雑しててよ」
「ホントだよ。俺ら待ちくたびれたっての」
三人は楽しそうに会話をしている。
この中に入れるのか……奈津美はさらに不安になる。
「つうか、旬の彼女は?」
旬の友人の声が聞こえて、奈津美はビクッとする。
「えー? あれ、ナツ、何隠れてんの」
旬が後ろの奈津美に気付いて、手を引いた。
「じゃーん! 俺の彼女!」
旬が大袈裟に口で効果音を出して、奈津美を前に出した。
「ごめんなー。いつもこんなんじゃないんだけど、照れてるみたいで」
「ち、違うわよ!」
思わず大きな声を出してしまい、奈津美ははっとする。
いきなり素で大きな声を出してしまった。第一印象をよくしようと思っていたのに……
奈津美は恐る恐る旬の友人を見た。しかし、奈津美が思っていたより、気にしてないようだ。