続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
Episode 7
嵐の前の静けさ
「後ろはこんな感じでよろしいですか?」
美容師が奈津美の後ろで二面鏡を開き確認をする。
「はい」
奈津美も鏡に映った二面鏡を見て、奈津美は返事をする。
美容師はとても綺麗にまとまったスタイルにしてくれていた。
「お疲れ様です」
美容師が落ちた髪を掃い、ケープと首元のタオルを取った。
奈津美は椅子から立ち上がり、受付で預けていた鞄を受け取る。
「お疲れ様です。本日はカットとカラーで一万二千八百円になります」
受付の女性のが言った丁度の金額を出し、奈津美は会計を済ませた。
「ありがとうございました」
美容院を出て最初に受けた風が心地よかった。
涼しい風が、首周りをそっと撫でていく。
今日、奈津美は髪を切った。
本当はカラーだけのつもりだったけれど、季節も夏になって暑いし、毛先が痛んでくるかもしれないので、カットもした。
それで、梳いてもらうだけでずっと伸ばしていた背中まであった髪を、肩に少しかかるほどの長さに切った。
それから、カラーはいつものダークブラウンではなく、夏なので少し明るめのブラウンにして貰った。
思った以上にしっくりきた色なので、奈津美は気に入っている。