続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
その後、スーパーに食料品を買いに寄ってから、家に帰った。
夕飯の準備をしながら旬を待ち、大体六時半を回った時。
ピンポーン。
インターホンが鳴ったので、奈津美はコンロの火を止めて、玄関に向かう。
ドアスコープで確認すると、旬の姿があったので、奈津美はドアを開けた。
「いらっしゃい、旬」
「ナツー……」
出迎えた奈津美に、旬が笑顔を見せるが、奈津美の姿を見た途端固まった。
「……旬?」
おかしな旬の様子に、奈津美は首を傾げた。
「な……ナツ、髪切った? 色も変えた?」
何故か、うろたえた様子で旬が聞いてくる。
「あ、うん。今日行ってきたの。……もしかして、変?」
旬の反応を見ると不安になってしまう。
奈津美は気に入った髪形だけれど、傍から見たら、旬から見たら、おかしいのだろうか。
すると、旬はものすごい勢いで首を横に振った。
「ううん! その逆! めちゃくちゃ似合ってるし! うわー。ナツが可愛くなり過ぎててめちゃくちゃ焦ったし」
「何それ」
奈津美は笑みを浮かべながら旬を中に促した。
「ナツ可愛いー」
中に入ってドアが閉まった途端、旬が奈津美に抱きついた。
「ちょっと、旬……」
奈津美が驚いて顔を上げると、唇が旬の唇によって塞がれた。
ややあって唇を離すと、旬はニコニコを笑いながら奈津美の髪を撫でた。
「前もずっげー可愛かったし、前の髪型も好きだったけど。俺はこっちも好き」
奈津美が気に入った髪形を、旬も好きだと言ってくれて、嬉しくないはずがない。
「ありがと」
奈津美は素直にそう言った。
「何、ナツ。可愛すぎー」
旬は奈津美の体をぎゅっと抱き締め、頬に唇を押し付けた。
「ちょっと……旬っ。もう!」
奈津美は少しは怒った素振りを見せるが、今日は本気で怒る気にはならない。
「へへっ」
緩みきった旬の顔を見て、奈津美の表情も緩んだ。
「今、ご飯作ってるから、ちょっと待っててね」
「うん」
満面の笑みで、旬は頷いた。