続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
夕飯を食べた後、DVDを二人で見た。
一度見た内容でも、ラブコメディーだから面白くて、時折二人で声を上げて笑った。
いよいよ終わりというところにくると、旬が奈津美の肩に頭を乗せてきた。
そして奈津美の方にすり寄ってくる。
「旬、くすぐったい」
旬の髪が首筋を掠め、奈津美は首をすくめた。
今まではそんなこともなかったが、髪が短くなったせいだろう。
「うわあー」
奈津美が首をすくめた拍子に、旬はわざとらしく声を上げて、奈津美の肩から胸元の方に転がるようにして顔を埋める。
「やだ、ちょっと、もう……」
いつものことではあるが、奈津美は呆れたように笑う。
「ふふん」
くぐもった声で笑うと、旬は奈津美の太股を枕に、ごろりと寝転がった。
「ナーツ」
寝転がったまま、旬は奈津美の腰に腕を回す。
「なーに? 今日、甘えんぼじゃない」
奈津美は旬の頭を撫でながら言った。
「んなことないよー。いつもと一緒」
「それもそうかもね」
奈津美は笑って言った。
実際、旬がベタベタしてくるのはいつものことだ。
今日は、それが少し可愛らしく思える。
旬が仰向けになり、奈津美のことを見上げてくる。
「可愛いなぁ……ナツ」
惚れ惚れした表情で、旬は奈津美の頬に手を伸ばす。
「俺、この色好きかも」
奈津美の頬にかかった髪に触れて、旬が言った。
「そう?」
「うん。俺もこの色にしたいなー。俺、そろそろプリンになってきてるから」
そういいながら、うつ伏せになって奈津美に髪を見せるようにする。
「……ホントね。前に染めてからそんなに経ってないんじゃないの?」
旬の髪の生え際を見てみると、もう黒い部分が大分伸びていた。