続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「……これぐらいでいいかな。それで、次は何? あ、ちゃんと見てよ」
全体的に馴染んできたところで奈津美は言った。
「えーっと。『髪全体に馴染ませたらそのまま一時間おいておきます』だってさ」
「一時間ね。じゃあ、その間に買い物行ってこようかな」
手袋を外しながら奈津美は言った。
「えっ。何で? 俺、出かけらんないのに」
旬が後ろを向いて、目を丸くしている。
「うん。だからあたし一人で行くの」
「ええー!? 俺一人で暇じゃん」
不服そうに旬は口を尖らせている。
「だって旬の髪が終わってから行ったら遅くなるでしょ?」
旬の髪は、一時間待って、それからシャワーで洗い流したりしないといけない。
それから買い物をに行くとなると、かなり時間が遅くなる。それよりは、今のうちに行っておきたい。
「昨日買い忘れたものがあるんだもん。今日行かないと……。向こうでテレビでも見ててよ。すぐ帰ってくるから」
「それならそうと言ってくれたらいいのに。そしたら俺が買いに行くのと一緒に行けたし」
「ごめんね。旬が出かけてから気付いたから」
「じゃあしょうがないか……んじゃ待ってる」
旬は納得したようで、椅子から立ち上がった。
「壁とか床に頭つかないようにしてよ」
旬にそう言い、二人で部屋に行った。
「あ、洗濯物しまわないと」
ベランダで風に揺られてるのを見て、奈津美は思い出した。
旬はテレビを点けて床に座り、奈津美なベランダに出て洗濯物を取り込む。