続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「あ、ナツのブラジャーだ」

 旬のそんな声が奈津美の耳に届いた。


「え……」


 部屋の中に目をやると、旬の顔がこっちに向いていた。

 その視線は、風に揺られている奈津美の下着に注がれている。


「ちょ……ちょっと! 見ないでよ!」

 奈津美は慌てて取り外し、他の洗濯物で隠す。


「何で隠すんだよー。今更そんな恥ずかしがるような関係じゃないじゃん」


「見られたら恥ずかしいの!」


「そんなん言ったらナツだって俺のパンツ見てんじゃん」

 丁度その時奈津美が外していたのが旬のトランクスだった。


「男と女は違うの!」

 奈津美はそういい切って、素早く旬の下着を外した。


「何でー? 俺だって恥ずかしいよ。ナツが俺のパンツ触って色々してるんだって思うと」


「色々って……洗濯以外何もしてないわよ! もうっ! そんなこと言うんならもう旬の洗濯はしないから!」


 奈津美は顔を真っ赤にして旬の下着やTシャツを乱暴に部屋に投げ入れた。


「じょ、冗談だって! 俺、いっつも俺のパンツまで洗ってくれるからすっげー嬉しいんだよ? 俺がパンツになってナツに洗われたいくらい」


「何言ってんのよ。意味分かんない」

 つんと言い返し、奈津美は洗濯物を持って家に入る。


 一人分の量なので、その場で畳んでまとめてしまう。

 その時には、さっき放り投げた旬の分もきちんと丁寧に畳む。


「……ナツ、可愛すぎ」

 奈津美の行動を見て、旬はデレッと鼻の下を伸ばして言った。

「何がよ?」

 怪訝な顔をして奈津美は言う。


 何だかんだ怒ったようなことを言ったりしても、最終的にはこうしていつも通りにしてくれる。それが旬のツボにはまっている。


「何かもう、全てが」


「は?」

 いつものことではあるが、突拍子もない発言に奈津美はきょとんとするだけだった。


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