続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「あ、もしかして連絡したの?」
旬が気付いていたということは、そういうことなのかもしれない。
そう思ってきいたのだが……
「ううん。俺はしてないよ。でも、ナツの携帯鳴ってたから」
旬は首を横に振って答えた。
「あ、そうだったの?」
「うん。ナツが出かけて割とすぐに鳴ってー。その後も二回くらい。多分メールだと思うけど」
「ホントに? えっと……あたし携帯どこに置いてたっけ」
部屋のローテーブルの上にはない。部屋を見回して携帯を探す。
「そっちの方で鳴ってたよ」
旬が台所を指さした。
「え? こっち?」
どうしてそこにあるのか分からないまま、奈津美は台所に向かう。
買ってきたものを床に置いて、ふと見ると、冷蔵庫に隣の食器棚のところに、奈津美の携帯が置いてあった。
あ、そういえば。と奈津美は思い出した。
出掛ける前に冷蔵庫の中身を見ようとした時に、手に持った携帯を何気なく置いてしまっていたのだ。そして、それを忘れたまま出掛けてしまった。
奈津美の携帯は、ライトが点滅していてメール受信があったことを知らせている。
携帯を手にとって開くと、新着メールのアイコンに3という数字がついている。
旬が言っていた通り、奈津美が出掛けている間に三通のメールがきていたようだ。
操作をして受信ボックスを開くと、奈津美が全く知らないアドレスが三つ並んでいた。
誰かからのアドレス変更だろうか。だけど、三通も?
不思議に思いながら、奈津美はメールの一番最初に来たメールを開いた。
「えっ……」
メールの文面を見て、奈津美は思わず声を漏らしていた。
『窓開けたまま出かけてるよ』
いきなり何のことか分からなかった。