続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

 窓の方に目をやった。

 網戸だけ閉めた状態で、風がカーテンを揺らして部屋に入ってくる。

 確かに、奈津美は窓を開けたまま買い物に出かけた。

 しかし、それは旬が部屋で留守番をしていたから、わざと開けていったのだ。


 次のメールを見てみる。


『さっきのメール見てないの?』


 更に次のメールを見る。


『君が帰ってくるまでに何もないか、見張っておいてあげるよ』


 ……何これ。


 誰かと間違えているんじゃないだろうか。

 いきなり、さも知り合いのようにメールを送ってこられても、奈津美にはこのメールの文面に、思い当たる人物はいない。


 迷惑メールなの?


 何にしても、気持ちがいいものじゃない。


 奈津美はそのメールを削除しようとした。



「ナツー。そろそろ髪、一時間経つよ」

 旬がこっちを向いて声をかけてきた。


「あ、うん。先にお風呂場行ってて。すぐ行くから」


 奈津美は携帯を閉じ、またその場に置いて、買ってきたものを急いで冷蔵庫に仕舞った。


< 268 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop