続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「……何か言わされてねー?」
満足しないだろうと思ってはいたが、旬は不服そうだ。
「だって言わされてるもん。言って欲しいっていったのは旬でしょ」」
「そんなんじゃなくてー! もーいい! 怒った! おしおきしてやるー!」
「きゃあ!」
突然胸を鷲掴みにされ、奈津美は悲鳴をあげた。
「ちょっと、旬! そんなことで怒らなくてもいいじゃない」
「別に怒ってはないしぃ」
旬の顔を見てみると、怒っているというよりは拗ねているようだ。
その顔を見て、もう少し優しくした方がいいかなと思った。
「……そんな、髪染めたり前髪切ったぐらいで変わらないよ、旬は」
奈津美は右手でそっと肩に乗っている旬の頭を撫でた。
「あたしは、別にどんな風でも、旬だったら……いいもん」
最後の方の言葉は、尻すぼみになってしまった。
「ホント?」
旬が奈津美の顔を覗き込もうとする。
しかし、奈津美は左を向いて顔を背けた。
その時に、耳までが真っ赤になっているのを、旬は見逃さなかった。
「……ナツ、可愛すぎー!」
旬は感極まって、奈津美を押し倒した。
「きゃあ!」
どちらにしても、結果は同じだった。