続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~



 翌朝、奈津美はいつもの時間に起きて、朝の用事をこなしていた。

 旬は、まだ気持ち良さそうに眠っている。


 今日は、ゴミの日だ。

 普段は夜のうちにゴミをまとめておくのだが、昨夜は旬に押し倒されたまま流されて、何もできなかった。


 旬ってば強引なんだから……

 毒づくつもりで思ったことだが、昨夜のことを思い出しで、奈津美は一人赤面する。


「んんっ……ナツ」


 奈津美は肩を震わせて振り返ったが、旬はまだ眠っている。

 どうやら寝言だったらしい。


「んんっ……ダメだよ、ナツ」

 うつ伏せになって枕に顔を擦りつけながら旬は、モゴモゴと言葉を発する。


 こちらに向いた顔は、眉間に皺が寄って、苦しそうに見えた。


 一体何の夢を見ているのか、夢の中での奈津美は旬に何かをしているらしい。


「……ダメだって。それ、俺の……オモチャじゃないから」


 何の話だ。一部が不明瞭で聞こえなかった。


「……もう。ナツってばやらしいなぁ」


 その言葉と共に、旬の表情がふにゃっと緩む。


 よく分からないが、奈津美にとっては何だかとても不快だった。


「旬」


「あ、ダメ。そんなに強くしたら……」


「旬!」


 バシン!


 奈津美は旬の背中を叩いた。裸だったので、思った以上に痛そうな音が響いた。


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