続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
何、これ……
『今から仕事?』
『ここで働いてるんだね』
『今、仕事中かな?』
『今は昼休み?休憩ってあるのかな?』
メールは全てそんな内容で、流石に尋常でないということは感じ取った。
こうまで同じアドレスから続いてメールがくると、ただの間違いではないことが分かる。
「どうしたの?」
奈津美の様子にカオルが不思議そうに尋ねてくる。
「……なんか、昨日から変なメールくるの」
奈津美はありのままに話す。
「変なメール?」
「うん。全然知らないアドレスから、昨日から合わせて八通も」
「えー……登録してないだけとかじゃなく? 前に削除した人からとか」
「そんな人いないよ。削除したのっていっても……元彼ぐらいだし。今更くるわけないし」
今まで付き合ってきた彼氏とは、あまり言い別れ方をしなかったパターンが多く、別れたら即アドレスは消去し、それ以来は疎遠なままだ。
誰一人として、今になって連絡をよこそうとする男がいるなんて考えられなかった。
「それに、こういう内容なんだよ?」
奈津美はカオルにそのメールを見せた。
カオルは奈津美の携帯を受け取り、画面を見る。
「左押してって。続けてきてるから」
奈津美の言うとおりカオルがカチカチとボタンを押している。
するとみるみるカオルの表情が変わる。
「……これって……奈津美は返信してないのよね?」
カオルが確認するように聞いてくる。
「うん。誰からかも分からないのに、返信なんかできないよ。最初はただの間違いだと思ってたし」
「……これって、もしかして全部奈津美の行動?」
「え……?」
一瞬どういう意味か分からなかったが、奈津美はすぐにはっとしてカオルから携帯を受け取った。