続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「はぁ……」
奈津美は小さくため息をついてうなだれた。
「どうぞ」
頭の上あたりで声がして、奈津美は顔を上げた。
目の前に缶入りのミルクティーが映る。奈津美は更に視線を上げた。
「あ」
そこにいたのは、涼介だった。
涼介が、奈津美に缶を差し出している。目が合うと、涼介はニコッと笑った。
「コーヒーの方がいいですか?」
涼介は、恐らく自分用の缶コーヒーを見せて奈津美に尋ねた。
「う……ううん! ありがとう……」
とりあえず、奈津美は差し出されたものを受け取った。
「涼介君……何でここに……? みんなと行ったんじゃ……」
「奈津美さんのことが気になったんで、戻ってきました」
涼介は笑顔で言い、奈津美の隣に座った。
「え……」
涼介の言葉に奈津美はきょとんとしてしまう。
「……なんて、嘘です」
そう言ってまた笑う。
まぁそうだろう。別に本気だとは思わなかった奈津美はただ呆気にとられる。
「じゃあ、何で戻ってきたの?」
奈津美が改めて聞くと、涼介は黙って、下を向いてしまった。