続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「ナツ……いくよ」
旬が、自身を奈津美に宛がって言った。
「ん……」
上手く声が出せず、奈津美は大きく頷いた。
それを確認すると、旬は右手を自身に添えて、左手で奈津美の右ひざを押さえ、ゆっくりと奈津美の中へと侵入していく。
「……あっ」
奈津美の一番奥に旬が辿りついたのを感じ、奈津美は高い声をあげた。
それと同時に、奈津美の目から涙が零れ落ちた。
一つ零れると、次から次へと溢れてきて、奈津美はボロボロと涙を流していった。
「ナツ? どうした? 大丈夫? 嫌だった?」
奈津美の様子に気付いた旬は、すぐに前屈みになって奈津美の様子を窺ってくれた。
奈津美は涙を流しながら、首を横に大きく振った。
「旬……」
すがるように、旬に手を伸ばし、背中に腕を回した。
奈津美の精一杯の力で、旬のことを抱き締めた。
旬は奈津美に体重がかからないように、奈津美の体の横に手をついてくれていたが、それも関係なく奈津美は旬にしがみついた。
「あたし……もう、ダメ……」
旬の耳元で、小さく奈津美は言った。
「え?」
奈津美はグスッと音をたてて洟をすすった。
「あたし……もう、旬じゃないと……嫌……触られるのも、旬じゃないと、ダメなの」
いつの間にか、そんな風になっていた。
今までだって、旬だから許せること、嫌じゃないこと、そんなことはたくさんあった。
だけど、ここまで旬に執着して、依存していたとは思ってもいなかった。
旬と繋がって、やっと無事だったんだと思えた。
そう思えたのは、旬だったから。
パズルのピースと同じで、旬じゃないと、奈津美をさせることができる存在はいない。
他の男なんて、考えられなかった。
「ナツ……」
旬は奈津美の頭の下と背中の下に手を入れて、奈津美の体を抱き締め返した。
どちらからともなく互いの唇を探り、噛むように口付けを交わした。
二人は暫くの間、繋がったまま、抱き締めあって、口付ける。それを繰り返していた。