続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「あ、そろそろ食べないと。昼休み終わっちゃう」
「えっ、ウソ、ごめん!」
話しこんでいて、いつの間にか昼休みも残り十分になっていた。二人は急いで箸を手に取って、食事を始めた。
「……でもさ、奈津美」
食べながら、カオルが口を開いた。
「なに?」
味噌汁椀を口元に持っていきながら奈津美は答える。
「旬君は旬君で、ちゃんと考えてると思うよ。見えないところで、色々やってんのかも」
その言葉を聞きながら味噌汁に口をつけていた奈津美の動きが止まった。
「……何でそう思うの?」
ごくりと一口飲んでから、奈津美は聞いた。
「何となく」
「……へ?」
さらりといわれてしまって、奈津美は拍子抜けしてしまった。
「何となくって……カオルの勘?」
「うん。あ、でも、何の根拠もなくってわけじゃないわよ? 前に、あたしと奈津美と旬君で居酒屋に行ったことあったじゃない? その時に、ちらっと聞いたのよ。ほら、前に奈津美が旬君との結婚がどうのこうのって言ってた時期」
「ああ、うん」
元同僚の結婚で、旬の口から出る『結婚』という言葉に過敏になって、旬との将来について不安になった時。確か、三人で飲みに行ったのはその辺りの時だったか。
「そう言えば、あたしがトイレに行ってる間に旬と話してたわよね。それって、そのことだったの?」
「うん。奈津美には悪いと思ったけど、あたし、気になって聞いたのよね。いつぐらいに奈津美と結婚したいと思ってるの? って。そしたら、今すぐにでもしたいって。でも、今は無理だって。ちゃんと仕事してるわけじゃないからって。旬君、そう言ってた」
「え……」
奈津美は目を丸くした。