続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「やっぱり、隠されるよりは、正直に言って欲しいのよね……だから涼介君も、加奈ちゃんに正直に言ってみたらどうかな?」


 旬のは性格だし、特殊だから、旬のようにとはいかなくても、正直に言うことは大事だと思う。

 特に。

 話を聞いていたら、二人はなかなか話をすることがないようだ。

 それなら尚更、必要なのではないだろうか。


「……て、あたしが偉そうに言えることじゃないんだけど」

 大きな口を叩いておいてなんだが、これは旬と付き合い始めて、ごく最近気付いたことであって、奈津美も人のことをいえない。笑って誤魔化しておく。


「……ありがとうございます。奈津美さん……」

 涼介は、奈津美に向かって微笑んだ。


「何か、奈津美さんって本当に旬にはもったいないですよね」


「え……」

 奈津美は目を丸くした。


「そ…そんなことないわよ! あたし、そんなできた人間じゃないし……これでもあの旬がいないとダメなところだってあるし……」


「そういうのが、羨ましいです」

 涼介の表情は、少し曇っていた。




「ナツー! 涼介ー!」

 すぐに誰のものか分かる声がして、奈津美と涼介はすぐに反応した。

 やっぱり、旬が笑顔でこっちにやってきている。加奈も隣にいる。


「ナツー! 会いたかったー!」

 ナツの目の前まできた旬は、奈津美の頭を自分の腹に押し当てるようにして抱き締めた。


「やだ……もうっ! 旬、大袈裟よ。ちょっとだけじゃない」

 奈津美は恥ずかしくて、旬の腕をほどきながら言った。


「そうだけどー。あ、ナツ、大分顔色よくなってるな。よかった」

 旬は奈津美を見下ろして、頬を撫でて言った。

 そういえば、涼介と喋ってるうちに、体調はよくなってきたようだ。

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