続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「もー……やだぁ。ちゃんと服着てよ」
一人暮らしとはいえ、家の中で真っ裸でいるなんて、だらしなさすぎる。
「あ、ナツ。今、俺の裸想像しただろ~」
「してません!」
からかうような旬に、奈津美はムキになって言った。
そりゃあ、何度も見たことはあるから、ちらっと頭によぎったけれど……
「ハハッ……は……はっくしょぇい!」
笑いながら、そのまま旬はくしゃみをした。奈津美はまた携帯を遠ざける。
「ちょっと……本当に大丈夫なの?」
もう三月とはいえ、まだ寒い。特に夜は冷えるのだ。簡単に風邪をひいてもおかしくはない。
「大丈夫だって。俺、風邪一つひいたことないって言ったろ?」
電話の向こうの旬は、洟を啜りながらも至って暢気だ。
確かに、つい一ヶ月ほど前に、真冬の夜の外で奈津美を待っていても(前作・前々作参照)くしゃみこそひどかったが、それ以上悪化はしていなかった。それで考えたら今回も大丈夫なんだろうが、油断は禁物だ。
「ちゃんと服着て……あと、温かくして寝るのよ! 明日風邪ひいたなんて言ったら中止にするからね」
「そこまで言わなくても大丈夫だって~」
……ああ言っておいて、やっぱり大丈夫じゃなかったようだ。
奈津美は溜め息をついた。
しょうがない。電話の様子だと、一人で何も出来ない状態に違いない。
奈津美はとりあえず、旬の家に行くことに決めた。