続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

 奈津美は確信した。


 加奈は、本当に機嫌が悪い。

 しかも、恐らくは奈津美に対してだ。

 それは奈津美の勘だが、強ち外れてはいないと思う。


 でも、そうだとして、何でそんな態度を取られるのか……


 今日初めて会って、最初は普通だったはず。むしろ、とても優しい子だったはず。

 奈津美が気分悪いと言った時も心配してくれた。


 というか、今日はほとんど一緒に居なかったのに、どうしていきなりこういう態度なのか……


 ふと、涼介に聞いた話を思い出す。


 もしかして、奈津美が旬と付き合ってるから……


 いや、でもそれなら最初から奈津美に対して冷たいだろうし……むしろ、今日最も旬と共にいたのは加奈の方だし……大体、加奈は今は涼介と……



 そこまで考えて、奈津美は気付いた。

 もしかして……加奈は奈津美が涼介といたことが気に入らなかったのでは……


 そうだ。それが一番考えられる。

 さっきは、別に加奈は疑ってきたりしないだろうと思っていたが、こうなると話は別だ。


 涼介が抜ける時に何と言ったかは知らないが、その言い方次第では変に疑われてもしょうがない状況だ。


 でも、あたしは何もしてないのに……


 自分も女ながら、女というものは怖いと、奈津美は思った。


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