続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「お待たせー」
旬の明るい声がして、奈津美はあからさまにほっとした。
旬が奈津美の隣に座り、涼介が加奈の隣に座る。涼介が来ると、加奈は携帯をしまう。
「ナツ、どっちがいい? 新しいのあってさ、気になったから買ってみたんだ」
旬はウキウキと二つのバーガーを奈津美に見せる。
「じゃあ、こっち」
新製品というその二つは、ただチーズが入ってるかどうかの違いだ。奈津美はチーズが入ってない方を選ぶ。
「じゃあ、はい。いっただっきまーす」
奈津美の前にハンバーガーを置き、旬は早速包みを開いて食べ始める。
奈津美も包みを開き、食べようとした。……が。
ボト……
隣で旬がテーブルに何かを落とす。
見てみると、バーガーにはさまっているソースのついたレタスだった。
「旬。こぼしてる」
「むあ?」
旬は口いっぱいにほお張って奈津美の方を向く。
その拍子にまたレタスが落ちる。
「もー……こぼさないでもっときれいに食べてよ」
奈津美はため息をつきながら紙ナプキンでレタスを拾う。
「違うって。これ、何かやたらレタスはさまってるんだって」
「何が違うのよ。旬の食べ方が悪いんでしょ……って、ああ、もう。口の周りもベタベタだし……何で鼻にソースがつくのよ」
奈津美は更に紙ナプキンで旬の口周りと鼻の頭を拭う。
「鼻が高いからかな」
「だから食べ方が悪いんだってば。……もう」