続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「お待たせー」

 旬の明るい声がして、奈津美はあからさまにほっとした。


 旬が奈津美の隣に座り、涼介が加奈の隣に座る。涼介が来ると、加奈は携帯をしまう。


「ナツ、どっちがいい? 新しいのあってさ、気になったから買ってみたんだ」

 旬はウキウキと二つのバーガーを奈津美に見せる。


「じゃあ、こっち」

 新製品というその二つは、ただチーズが入ってるかどうかの違いだ。奈津美はチーズが入ってない方を選ぶ。


「じゃあ、はい。いっただっきまーす」

 奈津美の前にハンバーガーを置き、旬は早速包みを開いて食べ始める。


 奈津美も包みを開き、食べようとした。……が。


 ボト……


 隣で旬がテーブルに何かを落とす。

 見てみると、バーガーにはさまっているソースのついたレタスだった。


「旬。こぼしてる」


「むあ?」

 旬は口いっぱいにほお張って奈津美の方を向く。

 その拍子にまたレタスが落ちる。


「もー……こぼさないでもっときれいに食べてよ」

 奈津美はため息をつきながら紙ナプキンでレタスを拾う。


「違うって。これ、何かやたらレタスはさまってるんだって」


「何が違うのよ。旬の食べ方が悪いんでしょ……って、ああ、もう。口の周りもベタベタだし……何で鼻にソースがつくのよ」

 奈津美は更に紙ナプキンで旬の口周りと鼻の頭を拭う。


「鼻が高いからかな」


「だから食べ方が悪いんだってば。……もう」


< 43 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop