続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~

「加奈は、旬のことが好きだったんです。それで高二の時に告って、でも、振られて……その時、すっごく落ち込んでたんです。本当に好きだったみたいで……俺と付き合ってるけど、それでも、まだふっ切れてないのかもって思う時があるんです。……だから、今日、旬と一緒だったら、少しでも楽しめるかなって思って……」



「涼介、そんなこと言ってたの?」

 奈津美の話を聞いて、旬は目を見開いた。


「うん」

 奈津美が頷くと、旬は腕を組んで首を傾げた。


「涼介……何でそこまで勘違いしてんだ?」


「何かあるの?」


「だって……本当にありえねえもん。加奈が俺のこと好きなんてさ。確かに……俺、だいぶ前に加奈に告られたけど……でも、俺は加奈のことダチだと思ってたから、断ったんだ」

 旬は少し決まりが悪そうに下を向きながらそこまで言った。


「でもさ! もうありえないんだって! つうか、加奈と涼介が付き合い始めたの、俺が加奈に告られた五日後ぐらいだったし!」

 旬が顔を上げて必死に奈津美に訴えかける。


「そうなの?」

 奈津美も流石にそれには驚いた。


「うん! それに……加奈だって今日、ずっと涼介のこと言ってたんだ」



「涼介……あたしのこと、もう好きでもないのかな……最近、何か冷たい気がするし……今日だって、久しぶりに会えるのに、急に二人じゃなくなったし……あ、別に旬達が一緒なのが嫌なわけじゃないよ? ……でも、今も急にあたしから離れて行っちゃうし……もう、あたしと一緒に居るのが嫌なのかな……?」



「そんな感じでずーっと言ってたんだ」


「そう……」


「涼介に今日のこと頼まれた時、上手くいってないって言ってたから……俺はてっきり加奈が……こんなこと言ったらダメかもだけど、別れたいって思ってるのかと思ってたんだ。でも、全然そんなことなかった。二人とも、何か思い違いしてるだけだったんだ」

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