続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「もっ……もう! 旬はまた変なことばっか言う!」
奈津美は真っ赤になって言い返した。
「へへっ。ナツー……」
旬は、奈津美の頬に唇を寄せた。
頬に唇があたった瞬間、二人の間に言葉がなくなった。
今度は、どちらからともなく目を閉じて、お互いの唇を合わせた。
旬の望みの頂上ではなかったけれど、そんな条件なんて関係なかった。
どんな条件であろうと、その瞬間の特別な気持ちは、変わらない。
唇を離すと、奈津美は旬に体を預け、その余韻に浸る。
半分を過ぎて徐々に地上に近付いてきている時になってやっと、奈津美は観覧車の外の景色を見た。
「綺麗……」
オレンジ色になった太陽が、空も地上も染め上げていく。
滅多にない光景というわけでもないのに、奈津美の口からは、自然とその言葉が出た。
「ん……」
旬は返事ともつかない言葉で反応をする。
奈津美の胸のしたに巻きつけられていた旬の腕が、もぞりと動く。
何をするのかと思ったら、旬は片方の手で奈津美のブラウスのボタンを外していく。
「えっ……ちょっと……やだ、旬! 何してんのっ」
奈津美が焦りながら言っても、旬は手を止めない。
ブラウスのボタンが全部外されると、旬はタンクトップの胸元に指を突っ込んで引っ張る。
「うん。絶景」
その中を覗き込んで、旬は満足そうに頷いた。
「……! 旬!!」
バシンと乾いた音と共に、ゴンドラが揺れた。