続・ダメ男依存症候群 ~二人で一つの愛のカタチ~
「じゃあ、俺らは帰るから……」
「おう」
「奈津美さん、今日はありがとうごさいました」
「ありがとうございました」
涼介と加奈が揃って頭を下げる。
「えっ……そんな、あたしは全然大したことしてないし……」
「おいー。俺にはないのかよ」
旬が口を尖らせる。
「ああ、忘れてた。サンキュ、旬」
「ありがとね」
笑いながら、また二人揃って旬に言う。
「おう! まあ、大したことはしてないけどな」
「何よそれ」
奈津美が言って、四人で笑った。
「それじゃあな。旬、奈津美さん」
「また今度、時間があったら遊びに行こうね」
「おう!」
「うん」
涼介と加奈、二人が帰っていく背中を、旬と奈津美は見えなくなるまで見送っていた。